理事長挨拶

理事長 川口昌彦

このたび初代日本神経麻酔集中治療学会理事長の飯田宏樹先生の後任として、理事長に就任させていただきました奈良県立医科大学の川口昌彦です。本会は、1997年に日本神経麻酔研究会(Japanese Society of Neuroanesthesia)として発足しました。山口大学の坂部武史先生が事務局長を担当され、新潟大学の下地恒毅先生が第1回日本神経麻酔研究会を新潟で開催されました。1999年から日本神経麻酔・集中治療研究会(Japanese Society of Neuroanesthesia and Critical Care: JSNACC)に名称を変更し運営されてきましたが、2014年から現在の日本神経麻酔集中治療学会(Japanese Society for Neuroscience in Anesthesiology and Critical Care)と改称しました。2009年から奈良県立医科大学の古家 仁先生が、2014年より私が本会の事務局長を担当させていただきました。

神経麻酔集中治療の領域は、1)脳外科手術、神経集中治療、神経モニタリング、神経放射線治療を受ける患者さんの管理、2)麻酔科領域とおける、脳・末梢神経・脊髄・意識・痛み・記憶・神経筋接合部・自律神経などに関する内容、3)神経障害を有する患者さんの管理、麻酔薬の神経毒性、せん妄、認知障害、脳梗塞、周術期のbrain healthなど、多岐にわたります。いずれの施設でも直面する多くの内容を含んでいます。本会では、麻酔科専門医の関連サブスペシャリティーとして神経麻酔集中治療に関する十分な専門知識と技量を有するものを日本神経麻酔集中治療学会指導医として2016年から認定を開始しました。

日本全国の神経麻酔・神経集中治療・疼痛管理領域の神経科学に関する専門家が、これらの領域の臨床面での質や安全性の担保・向上や、臨床ならびに基礎研究等について議論を交わす貴重な場であるだけではなく、麻酔科・集中治療科のすべての医師の学術交流の中核として、これらの領域を広く学ぶ機会を提供できる組織として発展させたいと考えています。特に超高齢化の現在、神経機能を温存する予防・治療戦略は極めて重要な課題です。また、医師だけでなく神経麻酔・神経集中治療領域に関わるメディカルスタッフとの多職種連携も積極的に行い、患者さんの機能予後改善に寄与できればと考えております。

これから理事長として多くの方々のご協力のもとに、本学会の益々の発展のために尽力する所存です。ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。


Copyright (c) Japanese Society for Neuroscience in Anesthesiology and Critical Care.All Rights Reserved.